ベトナム帰還兵のジョン・ランボー(シルベスター・スタローン)は、「よそ者」を嫌う地方の保安官に因縁をつけられて拘留されてしまう。そこで保安官達の拷問にあい、彼の怒りは爆発、逃走を図る。そして山に逃げ込んだランボーと彼を執拗に追う保安官及び州警察との壮絶な戦いが始まる‥‥。この戦いを「最初にけしかけた」のは保安官であるが、洋題の「ファースト・ブラッド」はここからきている。
ベトナムでランボーは米陸軍特殊部隊(U.S.
ARMY SPECIAL
FORCES)通称グリーン・ベレーに所属、その中でも最強の男だった。彼の上官トラウトマン大佐(リチャード・クレンナ)がそれを証言する。左のジッポーはグリーン・ベレーに所属したベトナム帰還兵が愛用したジッポーだ(1967年製)。ベレー帽とナイフが彫られている。ちなみにトラウトマン大佐が被っているグリーンベレーは、米陸軍第5特殊部隊グループのフラッシュ(パッチ)と特殊部隊のインシグニア(バッジ)が付いており、ランボー同部隊に所属していたと思われる(右は1973年製の本物グリーンベレー)。
ランボーの最大の武器はサバイバル・ナイフ(いわゆるランボー・ナイフ)だが、グリーン・ベレーの彼がジッポーを武器として使いこなさないはずはない。武器輸送トラックを運手していた州警察からジッポーを奪い
ジーンズに擦って着火、トラックを木っ端微塵に爆破してしまうのだ。ちなみに「怒りの脱出」では現地作戦指揮官のマードック将軍(チャールズ・ネイピア)が葉巻の着火にジッポーを使用している。
先のジッポーの裏面には、"LVE
BY CHANCE, LOVE BY CHOICE, KILL BY
PROFESSION"の文字が刻まれている(左写真)。「怒りの脱出」でランボーはアメリカに一緒に行く約束をした現地女性連絡員コー・バオ(ジュリア・ニクソンソウル)に"You
make a good
choice"と言われるのだが、直後に彼女は銃撃されてしまう。ほんの一瞬の恋だった。彼女の翡翠(ヒスイ)のチョーカーをしたランボーは、この裏目に刻まれたモットーのように復讐に向かう。この翡翠はえびす風に見えるが、大陸の「ブッダ(仏陀)」のお守りである(左はマックス・ケイディ製の復刻版)。
ランボーは第1作では星条旗と米陸軍のパッチがついたM65フィールド・ジャケットを着用(左はベトナム期の本物を使用して復元)、「怒りのアフガン」や「最後の戦場」のラストシーンでもM65を着て帰路につく。
このランボー・シリーズ全体のラストシーンでは、"RAMBO"のステンシルが入った米軍用のダッフルバッグを背負って帰郷を果たしている(右も再現したモノ)。
なおランボーのもう一つの武器は弓矢だが、右写真は映画で実際に使用された鏃(矢尻)だ。
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