若くして銀行の副頭取になったアンディー・デュフレーン(ティム・ロビンス)は、妻と彼女の愛人を殺害した罪に問われ終身刑を言い渡されてしまう。収監先のショーシャンクは聖書を振りかざす偽善・独裁者のノートン所長(ボブ・ガントン)と暴行陵虐を繰り返すハドレー刑務主任(クランシー・ブラウン)が監視する地獄の刑務所であった。左の写真は非常に珍しい刑務所(監獄)設備会社の広告ジッポー(1962年製)。刑務所に配ったのであろうか、色使いも含め究極にアメリカンなジッポーである。
アンディーは刑務所の調達屋"レッド"(モーガン・フリーマン)と次第に打ち解け、彼とその仲間達と長い刑務所生活を送ることになる。ある時、エルビスかぶれの若者トミー(ギル・ベロウズ)が入所し、以前の刑務所でアンディーの妻と愛人殺しの真犯人と出会っていたことを告白する。アンディーは所長に再審を要求するのだが、所長は元銀行マンの彼に不正蓄財を手伝わされていた為、彼が釈放されるのを恐れた。所長はトミーに話があると刑務所の外に呼び出す。トミーにマルボロをすすめ、ジッポーで着火。彼が証人になりうることを確信した所長は、脱獄犯に見せかけハドレーに射殺させてしまうのだ
。
常に"希望"を失わなかったアンディーであるが、唯一の証人トミーを失い
ある決心をする。1947年に入所して実に19年目のことだった。レッドは「忍耐にも限界がある」とアンディーを案じるのだが、彼はレッド以外からロープを調達していたのだ‥‥。
さて、レッドは入所してから実に40年後にようやく仮釈放が認められたが、染み付いた刑務所暮らしや外界の変化に戸惑い、シャバでは生きていけないと考える。先に出所したブルックス(ジェームズ・ホイットモア)も同様に考え自らの命を絶った。古物商のウィンドウには銃が並んでいるが、彼はその横にあったコンパス
を購入。アンディーとの約束を思い出したからだ。右写真はレッドが購入したものと全く同じ"KiFFE"ブランドのレンザティック・コンパス(1950年代製と思われる)。
そのアンディーとの約束とは、出所したらバクストンの牧草地
カシの木の根元の黒曜石の下の「あるもの」を探すということである。レッドは先のコンパスを頼りにこの場所を探す。
黒曜石の下から出てきたものは左写真と同じ缶箱であるが、これは1930年代のイギリスのキャンディーの缶で、この映画ファンの間では"HOPE
BOX"(希望の箱)と呼ばれている。希望を危険視していたはずのレッドが出所後に絶望し、この缶の中に「希望」を見出すという、パンドラの箱的なメッセージ性の強いアイテムである。 |